2018年7月17日火曜日

山裾

 曇りのち晴れ。ちょっと気になることがあって自転車で外出することにした。

 気になることというのは、サングラスのツルの部分についていたゴム製の滑り止めが片方だけいつの間にかなくなってしまっていることだ。
 いろいろ思い返してみると山の方へ出かけて夕立から逃げるように下りてきた時に落としたかも知れない。6月30日…もう半月以上前だ。

 前回は目的の湧水まで行けなかった。それに行けば写真も撮れるだろうと思った。


《まっすぐ》

 晴れてはいても雲があるのでひどい日焼けにはならないだろうと思いつつゆっくり坂道を上った。
 撮影していた紫陽花の花がまだ咲いてていた。雨不足で市街地の紫陽花は錆びたような咲き方をしていたのに山裾の紫陽花は花期も長く瑞々しい。

 雷鳴から逃げるように折り返した場所まで行ってみる…と道路の隅に黒くて細長いものが落ちているのが見えた。なんと半月以上もの間、ずっとそこに落ちていたらしい。パーツを買わなくてはならないかとも思っていたのでホッとした。そしてそこからは前回のリベンジ。何度か登ったことのある道なのに毎度大変だ。

 なかなか手に入らないと思っていたドクダミの花も咲いていた。そしてそろそろ季節だと思っていたトラノオの花。オカトラノオではないかと思うのだが、ちょっと短いような気がする。トラノオの仲間は何種類かあるようなので特定には至っていない。そして思いがけなく黄色いツリフネソウの花にも出会えた。

 やっかいなのは集まってくる小さな羽虫だ。おそらくブヨだろうと思ってタオルを頭に巻いて耳周辺を守る。カメラを構えている間は我慢するしかないのでいくらか刺されることも覚悟した。そういえば、以前に登山した時に顔周辺を刺されて翌日腫れ上がったことを思い出す。幸い今日は大丈夫だったようだ。

 何とか目的の湧水の場所まで到達。年間を通じて水温9.8℃の水は冷たくて痛いくらいだった。ブヨが寄ってこないようにタオルと腕の汗を流してみたものの気休めにもならない様子。しかし、そこからは風を切って坂道を下るだけだ。

 しばらく走って民家のあるところまで下りたところでふと目に留まったのは川に渡した橋を渡るカモシカの姿。どうやらまだ若い様子。写真を撮ろうと思って自転車を止める。準備している間、少しこちらの様子をうかがっている様子だった。聞いたところではカモシカは視力が良くないということでこちらが見えてしないのかも知れない。
 何度かシャッターを切っているとカモシカは向こう岸へ渡ってしまった。そこで改めて気がついたのは、カモシカが入って行ったのは果樹園のようだ。天然記念物でありつつも害獣扱いもされるという厄介な立ち位置。勝手に果樹園に入ってカモシカを追うことは出来ないしおそらく余計なお世話だろう。帰ろうとしたらさっきより大きくて白いカモシカが果樹園から走り出てきた。後から若いカモシカが追っている。結構迫力があるので何事かと思ったら近隣の民家の裏手へ走り込んで行った様子。どこへ行っただろうと様子をうかがったら別の方向から飛び出してきてまた別の民家の庭の方へ走り込んで行った様子。パカラッパカラッと馬の蹄のような音を立てていたが、慣れてないような走り方でちょっとカッコ悪かった。

 その地域はそんな風にカモシカと関わっているのだろうか。カモシカを見たのは初めてではないが、なかなかに印象的な出来事だった。出かける時に設定した目的は落し物の回収と山野草の撮影と湧水の場所まで行くことだったので予想外の大きなおまけがついたような気がする。




プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):60回
背筋運動:20回
腕立て伏せ
1回目:160回
2回目:175回

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