撮影:2009/03/31
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たった3ページほどを描くために随分苦労した気がする。そのお陰で3Dソフトを利用することに少しだけ慣れたが、3Dソフトを使おうが使うまいが物語の本筋にはあまり関係がない。3Dソフトで物語の舞台設計をすれば空間的な整合性を取ることは可能だ。しかし、その世界に依存してしまうと面白味がなくなるのではないだろうか。どうしても空白を埋めてしまいがちだが、想像したり余韻を愉しむためには空白やシンプルな背景の考慮する必要があるのかもしれない。
兎にも角にも先行して描いてあったページに加筆修正してアップした。
遠回りしたせいかタッチにズレがあるのが気になる。3Dソフトを使っている時に描いたカットは線が甘くなっているのではないだろうか。かなりの精神力を奪われていたのだろうか。また、以前は陰影を表現するための中間色に薄墨を使っていたはずだ。薄墨の使用にはメリットとデメリットがある。メリットとしては自然な陰影の表現が可能であること。デメリットとしては描き直しなどで消しきれなかった鉛筆の跡や汚れが残ってしまうということだ。綺麗な原稿に仕上げることは大切なことだが、四苦八苦して描いているとそれが容易なことではない。それでしばらく主線の作画以外に薄墨の使用は控えめにしていたのだ。
理屈で考えれば、敢えて薄墨を使わずともデザイル彩色でクリアな陰影表現が可能なはずだった。しかし、改めて薄墨を使った作画と見比べてみると薄墨の方が全体に柔らかなイメージで空気感も再現できている気がする。薄墨を使用する際の筆使いが功を奏しているのだろう。何よりデジタル彩色も薄墨との親和性が高いということだ。これまでのモノトーンを前提とした印刷物の漫画では白から黒への明度のコントロールが重要だった。スクリーントーンは印刷物で薄墨の再現が難しいために発達してきたものと理解している。一方で高精細のデジタル彩色ではRGB全方位に気を配らなくてはならない。
おそらくは今後もRGBのデジタルカラーの作画に取り組んでいくことになる。アナログとデジタルの融合について試行錯誤していく必要があるだろう。
◇腕立て伏せ
1回目:91回
2回目:106回