少し調子をつかめて来たかと思えば、翌日は元の木阿弥。
まるで一筆描きのような感覚で描けていた若い頃がウソのようだ。
…とはいえ、大した作品が残っていない所を見ると感覚的なものであって調子に乗っていただけかも知れない。
描くことに専念する時間が欲しいとずっと願い続けていた。今は不本意な形ではあっても描ける時間があるというのに今度はその時間を持て余したりする。
描いている漫画が休止状態になるのはストーリーが先行出来ていない場合のようだ。イラストや絵は作画を深めることで作品を完成させて行く。一方で漫画はまずストーリーを展開する必要がある。1コマや4コマ漫画が描けないのはそこに問題があるからだろう。
煮詰まったので買い物ついでに自転車を出した。
自転車を走らせながら思考を巡らせる。アイディアはこんな時に閃く。
端境期なのか野菜の価格が軒並み高値になっている。鹿児島産の新ジャガ1個58円。ネギは1本で100円前後。小ネギが1束で198円だったので小ネギにシフトした。使うと言ってもラーメンやソバの薬味程度だから小ネギだって充分なのだ。地元産のものはほうれん草と山菜くらいだろうか。普段なら高く感じる魚介類の価格が手頃に思えてしまう。
この時期になるとプランターに野菜の種を播いておくべきだったと毎年後悔している気がする。
夜、机に向かっていくらか作画するもすぐに集中力が途切れた。
何気なくこれまで描いて来たコピー紙の山を捲りながら整理しようと試みる。しかし、何とひどい絵ばかり描いて来たのだろう。ここ1年くらいの間、常に精一杯描けるものを描いて来たつもりだったのに全くラクガキレベルと言わざるを得ない。
見方を変えれば、焦燥感に駆られながらも日々描き続けたことでいくらか前進して来たということだろうか。
経験は必要だとしても反省や後悔はまだ見ぬ未来の役に立たないのではないか。
自転車のペダルを踏み込みながらそんなことを考えていたことを思い出した。
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