2016年2月4日木曜日

兆候

 朝、何かの気配を感じてふと目が覚めた。
 ひとり言とも咳払いともつかぬような男性の低くしゃがれたような声が聞こえた。
「・・・…」
 何を言っているのか聞き取れなかった。携帯の時計を見ると午前7時前。部屋の中も既に明るくなっている。すぐ外は駐車場になっているから誰かがいれば話し声くらいは聞こえても不思議はない。しかし、まるで枕元で誰かが何かを言ったような感覚だった。
 そう言えば、随分前に「あと三日」と声が聞こえたことを思い出した。随分はっきりした声だったから、もしかして三日後に死ぬんじゃないかと不安に思ったりもした。あれからもう何十年経ったろう。
 若い頃はそういう不思議な出来事がちょいちょいあったような気がする。最近はしばらくご無沙汰だったから少し懐かしい感覚のような気がする。

 そういえば、昨日は節分だった。
 以前に描いた鬼神のイラストがあったことを思い出した。


 天候は晴れ。今日は買い物に出なくてはならなかった。自転車のタイヤの空気が足りないようだったので詰めてから走り出す。近所の川沿いでは鴨が日向ぼっこに余念がない。近づけば逃げるだけなので見て見ぬ振りでペダルを踏み込んだ。2010年も暖冬だっただろうか。写真を確認したら今年より雪が少ない印象だ。

撮影:2010/02/05

 買い物ついでに立ち寄ったショッピングモールで自宅から持ち出した牛乳パックとアルミ缶をリサイクルに出し、ついでに散歩という運びだ。平日とあって客も週末よりぐっと少ない印象だった。生鮮食品のコーナーに早くもフキノトウやタラノメが並んでいるのに少し驚いた。太いコゴミもあった。栽培品だろうと思ったが、野山の地物が見られるのはまだ2ヶ月も先の話だと思うから春の風情が感じられて嬉しい。そうだ。2016年も1ヶ月が瞬く間に過ぎ去ったのだ。用もないのに飲食店の通りを歩き、ペットコーナーで遠巻きに眺める。犬は多いのに猫が少ないのはちょっとした不満だが、触るわけでもないしちょっと気になっている程度に過ぎない。それから衣料品の安売りをチェックして2階へ上がり、映画館の前に立って話題の映画も結局観ないまま終わるようだと考える。書店を覗いて靴や時計などの専門店を横目に眺めつつ、いつだってこうして歩いて通り過ぎるだけなのだ。今日はゆっくりしたい気持ちになったが、しばらく歩いたので防寒着のせいで暑くなってしまった。店の外に出るとヒンヤリした空気が心地いい。その後は例によってスーパーや産直の店をハシゴして必要なものを買いそろえた。
 やはり雪の残る歩道を走ったからか帰宅するとどっと疲れが出た。カップラーメンで昼食を済ませ漫画以外の要件に取り組んでいたらあっという間に夕方である。カレーを作る予定だったので鶏モモ肉にヨーグルトを絡めて下ごしらえ。
 このまま一日を終えるわけには行かないと思い机に向かった。自転車で走りながら思いついたエピソードを描き留めておかなくてくならない。ウマく行けば描いていたエピソードと繋げられるかも知れない。30分程度描けたろうか。歩いたり自転車で走ったりしたせいか描くことについての調子は良いようだ。走り描きしたネームは思ったように描けなくて少し落胆した。明日またやり直してみよう。
 カレーは週一のペースで作っているので同じも料理なのに意外と毎回出来が違うのは分量を適当にやってるせいだろう。今日のは少しとろみが足りなかったようだ。これまた明日になれば美味しくなっているだろう。

 腕立て伏せは、寒いせいか調子が良くない気がする。
 腕立て伏せ:103回

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