人生という舞台において人は常に主役である。
よく言われることだが、ずっと意識していることは難しいし煩わしい。そればかりか自らが舞台を荒らしたり台無しにしていることがある。おそらくボク自身もそういうことをしているのだろう。徹頭徹尾演じ切るというのは容易なことではない。裏も表もある凸凹だからこそ人間らしいとも言えるだろう。
しかし、そのステージが何を表現し何を伝えようとしているのか、どんな意味を持つのかと考えてみると疎かにしていることが恥ずかしくなることがある。
一人の人間の力なんて大したことない。
ちっぽけな自分が出来ることなど何もない。
人は成長し、社会を知り、世界を知るうちに自らの非力さを知り身の丈の幸福の尊さを知る。そこに異論はない。しかし、生きた証を残したいと願った若い想いは果たして無意味だったのだろうか。非力なりにも役に立ちたいという欲求は偽善なのだろうか。
そこに舞台があるなら…自由に演じることを許されるならどんな自分を演じたいだろう。
漫画を描くということは、漫画の世界を生きるということかもしれない。それとも経験の中の凸凹な想いをキャラクターに重ねることだろうか。
新しいキャラクターの必要を感じて数日前からキャラクターを練っているが、なかなかウマく固まらない。
彼は仕事が忙しい割に給料は安く、思うようにプライベート時間を楽しむ気持ちの余裕がない。迷い込んだ人生の迷路が思いのほか窮屈で、若くして自分の意志で物事の判断ができなくなっている。
疲れてやつれた印象の若者を描こうとしているのだ。髪型はどうか。眉は太いのか細いのか。鼻、口…彼の仕事の勤務状況はどんなものか…難点なのはそんな設定のキャラクターにいかに感情移入するかということだ。何枚も描いては失敗を繰り返している。
世界には様々な人がいるというのにボクの描くキャラクターは似通った印象になりがちだ。人間観察が足りないのか。想像力が足りないのか。そもそも突き詰めが足りないのか。断片漫画は連載の予定がないのが基本とは言え作品中に描かない部分の設定も重要なのである。
腕立て伏せ:110回
2016年1月14日木曜日
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