2016年1月29日金曜日

適応

 順応…最適化。
 新しい環境に身を投じた時、その環境に慣れる必要がある。
 金魚であれば新しい水槽に慣れるまでこれまでの水槽の水から新しい水槽の水へ馴染む必要がある。温度かもしれないし水質かもしれない。急激な変化は金魚にとって死を意味する。
 転職などの場合なら新しい環境で受け入れ体制が出来ていること。そして新人としての柔軟な対応が必要となるだろう。受け入れ側と転職者側ではそもそもの考え方にズレがある。受け入れ側は今ある仕事に取り組んで欲しいが、転職者側は経験を活かそうと考える。仕事の内容が両者の思惑通りであればウマく行くかもしれないが、実際にはそんなに単純ではないだろう。ある程度時間をかけてお互いが順応しない限り長続きすることは難しいかもしれない。

 今日も作画の調子は悪くない。
 下絵とペン入れの間の垣根が低くなっている気がする。ボク自身も描くということに適応して来たということだろうか。きっと漫画家のアシスタントをする機会があっても3日も保たないかもしれない。何という遅筆。何という適応力の低さ。しかし、じっくり習得したものは簡単に消えたりしないし、少しずつ磨きをかけ精度を上げることが出来ると知っている。焦らずじっくり取り組んだ者だけが手に入れることの出来る境地があるのだ。
 下絵やペン入れなどいつも以上に描けた気がする。下絵のまま保留になっていたカットにもペン入れをしてスミ入れ、デジタル彩色となる。ただ、保留になっていたカットは時間が経つことによって設定変更をしていたりするので調整が必要となる。


 noteに漫画の作品をアップするようになって気がついたことのひとつにデジタル作品におけるスクリーントーンの意味合いがある。そもそもスクリーントーンは印刷媒体でグレートーンの再現するために必要だったのではないだろうか。もちろん様々なパターンがあることも承知しているが、印刷を想定しない作品であればスクリーントーンにこだわる必要はないような気がする。何故なら印刷媒体のカラーモードがCMYKであるのに対し、デジタルのカラーモードはRGBである。印刷媒体でKに相当するBlackはデジタルにおいてはRGBがそれぞれ0なのだ。つまりスクリーントーンがKだけで表現出来るのに対してデジタルはRGBそれぞれの入力値が必要なのである。CMYで再現出来ない黒を再現するためにKがあり、それはインクの節約にも繋がっていたのかも知れないが、デジタルにおいては無数のドットによってデータサイズが大きくなるだけなのではないだろうか。
 もちろんこれまでの印刷物の漫画らしさを継承するには一役買ってくれるかもしれない。ただ、解像度によってはトーンが潰れてしまうだろう。グレートーンの再現という意味ではフラットなグレーで良いのではないかと思う。
 これもまた作品を発表する環境に最適化することなのではないだろうか。これまでの経験をそのまま活かせるかどうか柔軟な発想で対応することが必要なのかもしれない。

 腕立て伏せ:112回

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