2016年2月5日金曜日

意欲

 昨夜は海辺へ引っ越す夢を見た。瀬戸内だったようで海流の流れが早い。その引越し先は若い頃の友人とのシェアハウスになっていて友人の相変わらずマイペースの振る舞いに辟易していた。しかも、大潮の時期になると海水面が上昇し海抜が−3cmになるという。老朽化した建物は雨漏りもしている。どうしてこんな所に引っ越したかと不満を抱えていた。玄関先に出ようとすると元気のない小猿が横たわっていたので拾い上げて介抱する。大きなクリクリした目をまばたきしたから大丈夫だろう。

撮影:2010/02/07

 朝起きて机の上に残された昨日のカットを見たら今日は作画意欲が高まっていることに気がついた。脳内にある扉が開いていくらでも描けそうな気がする。
 意欲が高まっている時は得てして軌道を外れてしまいがちである。用心はしていたつもりだったが、漫画以外の仕事で手間取ってしまったのでプログラムを改良したい衝動に駆られた。今これをやっておけば、この先が楽になるのではないかという見通しである。今日はちょっと様子見のつもりだったが、案の定、深みにはまり込んだ。どうせなら新しいソフトを使おうとしたのが間違いの元。そのまま転用出来ればという期待は脆くも崩れ去った。しばらく格闘して消耗してしまったのでこれまでのプログラムで仕事をこなそうとしたらこんな時に限って不具合が見つかる始末。付け焼き刃の知識でやりくりするからボロが出るのだ。

 机に向かうが朝の意欲とは裏腹に集中力が足りない。プログラムの不具合が気にかかっていたのかも知れない。

 午後になって置き薬の営業さんが来た。置き薬は置いているだけで使ってないのでチェックだけなのだが、ついでに四方山話をしたりする。その時に営業さんがおかしな事を言っていた。
「アオサギが立ってたんですよ。」
 その一言では意味が解らず「置物ですか?」と笑い返すのが精一杯だった。
 暗くなってから自転車で買い物に出た。T字路の交差点で一台の車が非常点滅表示灯を点滅させて停止している。後続の車が意味が解らず追い越そうとしてまた停止。何があるのだろうと回り込んで見たら…アオサギが突っ立っていた。
 通常なら数十メートルの距離に近づいても飛び去ってしまうような警戒心の強い鳥である。それが車との距離数メートルで微動だにしない。やっぱり置物じゃないかと思った程だ。ふと、その様子を見守っている人に気がついた。
「ウチの池の魚を獲ったヤツだわ。あちこちで獲って歩いてるの。」
 話によると近寄れば威嚇するらしいが、このままでは車が通れない。自転車を降りて近づいてみるとスタスタと歩いて反対車線側の歩道まで歩いて行ったので立ち往生していた車は通って行った。ボクとしてはハグしたいくらいの心持ちだった。どうやらふられたらしい。
 辺りはすっかり暗い。
「鳥目だからもう見えないですよねぇ?」
 見ていた人に声をかけてみる。それとも夜な夜な池の魚を獲って歩いているのだろうか。
 アオサギは写真に撮りたくてもなかなか撮れない鳥なので至近距離で見られたことにボクは少し興奮していたかも知れない。一方で飛び去ることもなくスタスタ歩くのでいささか拍子抜けしている感がある。やはり暗いから飛べないのだろうか。
「お巡りさんに届けた方がいいのかねぇ。」
 野鳥なので気ままに活動しているのだろう。交番に届けたからと言って解決するものではないだろう。それでも通行の妨げになるようなら警察でも把握しておいた方がいいのかも知れない。
 スーパーの帰りに近所の交番に寄って報告すると見回ってみますとのこと。そもそも事故の多い交差点なので巡回の回数が増えるのはいいコトではないだろうかと思った。
…アオサギの置物を置けば、事故は少なくなるだろうか。

 帰宅してしばらくすると桜島噴火のニュースが飛び込んで来た。
 昨日辺りからの不思議な出来事との関連性を感じてしまった。

 不具合がどうにも気になるため夜になってプログラムの改修を試みた。その前に不具合が起きた原因を調べる。基本的にはApplescriptでテキストの検索置換をしているわけだが、いつも問題ないのにどうして不具合が生じたのか不思議で仕方ない。それで元になったテキストを調べていたらあり得ない原因が見つかった。濁点つきのカタカナが通常の入力ではなかったのだ。書類にカタカナの濁点を一文字として書く必要のある場合があるが、意味もなくその方法で入力されていたのだ。たぶん文字コードも違うのだろう。どうやらそれが原因で文字数カウントが誤動作したらしい。間違いのないように何かのデータをコピペしたのだろうか。そうでなければこんな入力しないだろう。濁点の部分を一文字として認識させることが出来ないからプログラムの改修のしようがない。
…詰んだ。

 明日は描けるかな。描かなくちゃ。


 腕立て伏せ:108回

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