2016年5月9日月曜日

種子

 蒔かぬ種は生えぬ。

 天候が良く朝は少しひんやりしていた。
 先日から近所の苗屋さんで売っているシソの苗が気になっていた。1ポット80円。今までにも色々試したりしたこともあってプランターや植木鉢はある。問題は土なのだった。近所のホームセンターで安売りになることはチェックしていたが、自転車で運ぶには重いし距離的にも不安があった。

撮影:2011/05/10

 身体を動かす目的もあって取り敢えず自転車を出した。まずは書店へ向かいつつペダルを踏む。途中、しばらくご無沙汰していたギャラリーに立ち寄る。近況報告的な世間話に終始したが、漫画やアート系のお話を心置きなく出来るのはありがたい。いつものこととは言え、今日も手ぶらで伺ってしまった。
 書店に着いていつものコースを歩く。ふと将来の書店の姿が見えたような気がした。そのイメージは、ネットでの販売が主流となる近未来である。書店の存在意義はネット販売の作品や作者の展示場意味合いが強くなっていて作品はカタログのようなものになっているというものだった。これまでの書店はより多くの作品を販売するためにたくさんの書棚とより広い販売スペースを必要としていた。CDショップがすでにそうであるように将来的には縮小を求められるのかもしれない。そんな妄想しつつ、隣のCDショップを通ってまた隣の産直スペースへ。そろそろ山菜シーズンも終わりだろう。
 それからまた産直の店とドラッグストアを経由してスーパーに立ち寄りホームセンターへ。
 ホームセンターの店頭では、時期的に野菜などの多くの苗が並べられている。14リットルの袋入り野菜と苗用の培養土が197円。購入するのはいいとしてやはり重さが問題だ。持った感じでは米10kgと同じくらいだろうか。しかし、夏に向けてシソの葉があると何かと便利だ。少し思案して購入。案の定かなり重かったが、何とか持ち帰ることができた。
 一旦帰宅して、最寄りのスーパーへ行ってから苗屋さんに向かう。チェックしていたシソの苗をひとつ購入しようとして対応してくれた店員さんにびっくり。以前にお話したことがある方だと思うのだが、見違えるほど美しくなっていた。苗屋さんに花が咲いたようだ。浮かれ気味で精算してもらおうと伝票を片手に店内へ入るとそれほど広くない店内はおばさま方がひしめいていた。余裕のあるそぶりで店内をウロウロしていたら後から来たおばさま2〜3人が先にレジに並んでしまった。
 何とかシソの苗を購入して帰宅し、空いていた植木鉢へ植えかえようとしていたところ、まだ播いていない十数種類の野菜の種の袋が出てきた。その中にはシソの種もある。何年か前に購入したものなのでもう出ないかもしれない。

 可能性の種はどうだろう。
 いつか役に立つかもしれないと考えて道具を揃えたり環境を整えたりしてきた。それは言わば土だろう。そして鉛筆やペンを持って紙に向かう。
 描かぬ絵は描けぬのだ。

 夕方になって机に向かう。
 昨日は調子がつかめなかったが、あれこれと動いたせいか今日は作画の調子が悪くないようだ。ここ数日掴み損なっていた感覚に少し触れたような気がした。可能性の種子は果たして発芽するだろうか。


腕立て伏せ
1回目:96回
2回目:103回

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