思えば、始まりはいつも落胆しているかもしれない。
不器用な上に勘が鈍い。センスもないし気も利かない。したがって何をするにも一旦つまずいてしまう。一回で覚えればまだしも繰り返し失敗をする。しかも失敗のパターンが変わる。趣味だったら許されるとしても仕事として取り組む場合は問題なのだ。自分の失敗しないためのルールが少しずつ増えていき失敗する回数は少なくなってもガチガチに融通が利かない。
他の人がささっと出来てしまうことが真似できないのはそのためだろう。
《光彩宣言》撮影:2011/10/26 |
山で印象的なキノコを見つけたことがある。淡いピンクで形はいわゆる綺麗なキノコの形ではなくちょっといびつで不定形。匂いがなんだか不思議だった。土っぽい土着な匂いではなくオシャレでエレガントとでも言おうか。帰って調べてみるとどうやらフランスなどのヨーロッパで好まれるらしい。同じ種類のものが日本にあっても洋風な匂いがするというのは不思議だと思った。日本ではウケない匂いということなのだろう。
食べたことのないキノコをを食べるのは結構勇気が必要だ。見かけたら観察するということを数年に渡って繰り返した。なにしろ日本ではあまり食べられていないキノコだからちょっと詳しいくらいの人に聞いても相手にされないかもしれない。
ある年、意を決して調理することにした。図鑑にあったように一旦茹でこぼすと脆かった肉質が締まって崩れにくくなる。そして炒めてみると特有な香りがした。もちろん嫌な匂いではなく良い香りなのだ。一口食べてみてしばらく様子を見る。じっくり調べたのだから大丈夫なはずとは思っても図鑑では気がつかない別種のキノコであったりする可能性は捨てきれない。どうやら大丈夫そうだったので今度は多めに炒めて食べてみたのだが、美味しいというほどではなくむしろ香りが強すぎた。ここでまず落胆したものの数年に渡って悩んだこともあってそのまま食べなくなるのは悔しい。次からは野菜などを炒める時に少しずつ使うようにした。すると香りがちょうど良いアクセントになって美味しく感じられたのだ。
色違いのキノコが存在することが後からわかった。同様に食べられるということだったのでコトなきを得たもののこういうコトがあるからキノコは怖いのだ。しかもさらに数年後、新たに毒成分が見つかったから食べない方が良いとの情報が図鑑に掲載された。キノコの世界ではこういうコトがたまにあるのだ。美味しいキノコだと思っていたので残念である。
写真を撮ったり漫画を描いたりしていても似たようなコトに遭遇する。
写真の場合は、見たままの印象で写らなかったり意図が表現できていないコトで落胆し、漫画の場合は毎度の様に描いた絵が気に入らない。どうしてこんなに下手なんだと落胆する。
そのままでは悔しいので繰り返し撮ったり納得行くまで描いたりという道を辿るコトになるのだ。
落胆せずに器用にこなせる人生はどうだろう。深入りせずにスイスイいろんなコトを楽しめるのだろうか。落胆に始まる苦悩の中に楽しみを見つけている様な気がするので不器用な人生も意外と悪くない気がしている。
プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):60回
背筋運動:20回
腕立て伏せ
1回目:110回
2回目:110回
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