2016年1月10日日曜日

縫う

 大雪に恐れおののきつつ布団から出ると、今日も太陽が顔を出し青空が見えた。
 買い物があったので自転車を出す。自転車に乗る際にチェーンの油がジーンズの裾を汚すので100円ショップで買ったマジックテープのバンドを巻くのだが、それでも気がつけば真っ黒になってしまう。そこで古いジーンズを切って巻いてみたらどうだろうと考えていた。その布を留めるために100円ショップで適当なボタンがないかと思ったが、古着のボタンで代用出来るのではないかとも思った。先日、そんなことを考えながら手芸店に立ち寄ってみたらジーンズのデザインに合いそうなスナップのボタンを見つけた。金槌で叩いて取り付けるらしい。それは便利と思い購入してあった。
 自転車を走らせながらどんな風にしようと考えを巡らせる。
 必要と思った食材を買い集めて回ったが、ネギだけは意に添うものがなかった。食パンを5日分。ジャム、牛乳…おでんが3割引きになっていたので購入。他に焼そばなど…これで外出回数が減らせるのではないだろうか。やはり天候は移ろいやすく最後のスーパーを出る頃は雨がパラついていた。

 帰宅して焼そばを作って食べた後、おもむろに裁縫箱を取り出す。裁縫箱と言っても小さめの段ボール箱に裁縫道具を詰め込んであるだけの代物だ。裁縫が面白いのは解っている。大したことではないが、古いシャツを買い物用の袋にリメイクしたり履き古したジーンズの生地で剪定用のハサミや草刈り鎌の袋を作ったこともある。それでやれば面白いことは解っているのだ。しかし、没頭するあまり時間を忘れてしまうという問題がある。特に今は出来る限り漫画のために時間を使いたいのだ。そうは言っても今回は目的がある。自分で作らなければジーンズの裾は真っ黒に汚れてしまう。こういう時はあまり構えるとズルズルと先送りになってしまうので、何となく始めるのが一番。ズルズル先送りするならスルッと始めた方がいい。
 既に古いジーンズの裾を切って安全ピンで留めて試用していたのでさらにリメイクすれば良い段取りだ。しかし、改めてジーンズの生地を眺めていると、足の内側と外側では縫製が違うことに気がついた。今回作るモノは右足用なのに切った生地は左足だったらしい。そのまま使うと縫製の内外が逆になってしまう…事前準備の観察が必要だということだろう。まぁ、今回は目をつぶることにしようということで、まずは切った部分の処理である。2回折ってから縫った方がいいのではないかと思い、幅1cm程度に2回折った部分を縫うことにする。ミシンは持ってないし使い方も解らないのでもちろん手縫いである。毎回針に糸を通すのに苦労するが、今回は勘で克服。縫い始めてみるとまっすぐ縫うのが意外と難しい。コツを掴むのに少し時間がかかった。しばらくかかってぐるり一周縫ってみると筒状ではなく切って一枚の布状にした方がいいように気がして来た。自転車で走りながら構想していたのは筒状にしたものにスナップボタンでベルトをつける仕様だった。しかし、そのデザインでは足を通す動作が必要になる。やはり地下足袋のスネの部分に巻つける布のようなデザインの方が良いような気がして来た。またも衝動的に切り開いて端の処理。手順としては所定の位置にスナップボタンをつければ完成となる予定だが、もう暗くなって金槌を使っている場合ではないと思い今日の作業を終えた。

 やってみれば面白いことはたくさんあるのだと思う。要はそれに没頭して夢中になれるかどうかである。
「そんなことをして何になる?」
「買った方が安いんじゃない?」
 そうやって楽しいことを他人任せにしていないだろうか。
 こんな作業が脳の刺激になり漫画の制作にも良い影響があるのではないかと期待していたりする。

腕立て伏せ:110回

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