2016年5月2日月曜日

筋書

 今日も雨模様。気温が上がらないようでヒンヤリしている。

 次の作品のための背景画制作を手がけてみる。ある程度の筋書きは出来ているからコツコツ描いていけば自然と出来上がっていくのではないかと考えている見通しがまた甘い。
 例によって想定では4ページ程度。前回の作品もそれくらい予定だったのに結局15ページにまで膨らんだ。とにかくページ数は少なくてもいいからギュッと濃度の高い作品が描きたい。

撮影:2011/05/02

 そういえば、先にコマ割りイメージがぼんやり頭に浮かぶようになっている気がする。いつからだろう。作品に取り組んで苦悶しているうちにいつの間にか自分の中で解決策ができている。もちろん一旦組んでみてからまた悩むことになるのだろう。
 今回は取り敢えず3Dソフトで小さな古書店のイメージを組み立てる。本棚は4列、カウンターとバックヤード…あ、またトイレとか給湯などの水回りを忘れていた。古本屋は今や大型有名チェーン店が幅を利かせていて個人経営の店は珍しくなっただろうか。本を買う時は一生ものと思って買っていたので手放すことなど考えていなかったし、購入するのは新刊ばかりだったので古本屋を利用することはないと思っていた。ただ、興味本位で見に行ったことはあったかもしれない。
 ある時、引っ越しの際の荷物を少しでも減らそうと思い古本屋を訪ねたことがあった。手放すことなど考えもしなかった本や漫画…引き換えに受け取った金額にガッカリしつつも古本屋の雰囲気を知る経験になっている。狭くて足の踏み場もないほどの本がひしめいていて愛想が良いとはいえない店主が応対してくれたのではなかったか。あの店の匂いを思い出せないのが少し悔しい。古い本の匂いがしていたのだろうか。

 描くということは、記憶をたどることが可能だ。想像や推測を加えることも取り除くことも可能なのだ。いつか脳内の映像を描き出すことが可能になるだろうか。3Dソフトやマンガ表現も進化を続けていくことだろう。その頃まで生きていられるだろうか。その時を待たずに記憶を辿りつつ描くことができるというのは、この時代ならでは特権なのかもしれない。

 仮にこれからまた数ヶ月間を要して1本の漫画を描くのなら作品について充分に吟味し用意周到に準備するのか、これまで通りただ無心に描き続けて経験を糧としていくのかによってその先の展開が変わるのかもしれない。

 たとえ人生が決まっていたとしてもその筋書を知らないのだから。


腕立て伏せ
1回目:103回
2回目:101回

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