2016年4月20日水曜日

光陰

 朝は薄日が射していて桜の撮影に行きたくなった。一方で少しでも漫画の制作を進めたい。そんなことを思いつつ、平日の仕事をこなしていると天候が下り坂になった。おかげで制作に専念できる。



 以前は制作中に音楽をかけるのが常だった。手持ちのCDからMacに読み込んだもので、古いPowerbookがオーディオマシン代わりだ。お馴染みの曲は安心して聴けるものの長く聴いていると飽きてしまう。新しい曲を購入する余裕もないし、新しい曲を探すのも骨が折れる。そんなこともあっていつのまにか音楽もかけずに黙々と制作するようになっていた。ふと、久しぶりに音楽をかけてみると同じ曲なのに新鮮に聴こえる。しばらく制作に集中できなかったのは雑念が頭の中をグルグルと回っていたせいだったようだ。

 音楽のお陰もあってかいつもより調子がいい気がする。ふいに浮かんだ漫画を筆で描いてみた。敢えて定規は使わない。文字は葦ペンだ。スキャニングしてデジタルでグレートーンで着色。若干荒っぽいが、何かとルールで自分をがんじがらめにしてしまう傾向があるのでルールに囚われないスタイルもあっていいと思ったのだ。



 調子に乗って何カットか描き進める。
 課題になっているのは、ペンタッチ。ボクのこれまでの絵は軽さと華やかさが足りない。ポップさだって足りない。今回は回想シーンの軽く繊細な雰囲気が欲しいと思っていた。同じ絵ばかり描くよりは他のキャラクターでも試してみようと思い途中になっている漫画「バランス」のキャラクターでも試してみる。

…それにしても、大変な作品に手を出してしまった。
 「バランス」を途中にしてしまっているのは、実力が足りないことを自覚したためだ。とにかく多くの作品を描いて足りない部分を埋めなくてはならない。積み上げるのはそこからだ。今は穴だらけなのだ。
 目的の軽く繊細な雰囲気を手に入れるため、現在制作中の漫画のキャラクターで3カットほど作画。うち1カットが雰囲気よく描けた。そのカットを分析するにペンのタッチもさることながら光と陰の表現がポイントのようだ。ペンで陰を描けば、光を捉えることになり儚い存在感が浮き彫りになる。光のレリーフ。光の彫刻だ。
 意図に近い雰囲気になったのは1カット。脳内に定着するためにまだまだ描かなくてはならないだろう。

 そして、時は矢の如く過ぎていく。


腕立て伏せ
1回目:100回
2回目:110回

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