旅の話を語る者。陽気に唄を唄う者。寡黙に水面を眺める者。
船頭の穏やかな横顔に気の弛みはない。
日は暮れかかり、せせらぎと川風の音が耳をくすぐる。
夕闇は行く先を隠し川面に来た道は残らない。
今も昔も変わらない。
漠然とした不安と微かな希望。
***
希望を託した2015年が終わろうとしている。
そしてまた新しい歳に希望を託すのだ。
この一年、ボクは何を残せただろう。
顧みる過去は夕闇に紛れ、不確かな記憶の淀みに沈んで行く。
向こう岸には何が待ち受けているだろう。
新しいことは未知であること。
未知の環境。未知の出会い。未知の出来事…。
未知であるからこそ新しい。
ふと…考える。
旅人を気取っているボクは果たして旅人なのか。
新しい岸に渡る権利はあるのか。
来る日も来る日も岸と岸とを行き来しているのではないのか。
行くべき未知を探さねばならない。
新たな旅を始めなければならない。
2016年の岸を踏みしめて。
腕立て伏せ:101回
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