2015年12月27日日曜日

彫る・削る・練る・磨く

 朝起きると雪が降っていた。薄曇りの空には青空が透けていて細かい雪がちらついてる。昨夜は風が強かった。そして風の唸り声に怯えた子供の頃を思い出していた。いい大人になってもやっぱり恐い。人ではない何か大きなモノの咆哮のようだ。この土地を遠く離れて暮らしていた頃は懐かしく思えていたのが不思議である。今は少なからず漫画のインスピレーションになっているかもしれない。

 キャラクターをイメージする行為は、一見何もない空間、真っ白な紙の上にずっと以前から存在し埋もれていたものを彫り出すことに似ている。油彩で言うところの荒描きである。何度も描くことで細部まで削り出され、どの角度から見ることの出来るキャラクターの脳内モデルになる。ポーズをつけたり表情をつけることでキャラクターを練る。「紙の無駄」と思いつつ何度も何度も描き直す。何度も描いて来たからこそ、ある程度パターン化しているのでお決まりのキャラクターになりがちだ。描き分けが出来なくては幅が狭くなる。そして磨きの工程。今はそこが最終段階の仕上げのような気がしているが、そこに辿りついたらまた次の段階が見えてくるのだろうか。

 年末年始の準備もあって買い物に出ると町の上空がぽっかりと青空になっていて周囲がぐるりと雪雲のようだった。空気はキリリと冷えている。スーパーで買い物するわずかな間に青空は雪雲に覆い隠され雪が降り始めた。
 それにしても昨日あたりから作画が妙に調子がいい。買い物のために外出しているどころではない感じだ。このまま調子を維持出来れば申し分ないが、そうは問屋が卸さないだろう。描けるうちに描くしかない。コピー用紙の買い置きが無くなりかけているので…また買い物かぁ。気分転換が必要とは言え調子のいい時は可能な限り描いて力をつけたい。


 腕立て伏せ:104回

0 件のコメント:

コメントを投稿

漂泊

 2021年は変化が大きく波に揉まれるような日々だった。2020年が予想外の幸運に恵まれていたのかもしれない。その波に乗れないまま呑まれてしまったようだ。良いこととそうでないことが同時進行し、気持ちの切り替えに苦慮した。元々器用な方ではないからこう言う時には複数の人格の必要性を感...