2016年12月8日木曜日

片鱗

 曇り。外出の予定はないので制作に取り組む。
 いつものことだがエンジンがかかるまでに時間がかかる。描きかけていたカットの歪みがどうしても気になるの修正することにした。
 描いても描いてもおかしい。デジタルなので下絵を描かなくなりつつあるのだが、今回のカットはその過渡期のものであるため下絵を残していた。非表示にしてあった下絵を表示すると修正を繰り返すうちに下絵の線から大きくズレてしまっていた。どうりで歪んでいるわけだ。ズレが大きすぎて迷路に入り込んでいたことになる。

撮影:2011/12/09

 早速下絵から描き起こすと何とかバランスをとり戻すことができた。あまり手を加えすぎてまた歪んでも困る。作中のワンカットとして描き進めていたので経過報告の意味も込めてイラストとして公開することにした。



 描きたいことや描かなくてはならないことが山のようにあるはず。それでも実際に描けるのはごく一部だ。作品の企画時点で思い描いた世界観はあまりにも壮大でその片鱗すら描けていないかもしれない。言ってみれば無謀なのだ。
 これまで種を播くように断片的に漫画を描いてきた。それぞれの作品をつなぐことで別の意味を持つこともあるだろう。それをすべきかどうかに迷いがある。断片的な漫画は独立していることで世界観に広がりがある。点と点をつなぐことで線になる。線に方向性があれば意図になるかもしれない。線で囲めば閉鎖的になるかもしれない。線としての意味を持たせることが怖いのだ。意味は規則になり規制になりやがて制約になるのではないかろうか。自由度が低下することで物語が窮屈になるのではないかという懸念もある。

 現代はリメイクの作品が少なくない。過去に制作・公開された作品を新しい技術や視点などにより新たな作品として生まれ変わる。多くの優秀なクリエイターが人知れず腕を磨いているのだ。
 作品の企画や骨子、メッセージ性や世界観がしっかりしていれば次世代のクリエイターがクオリティーの高い作品へと昇華してくれる可能性がある。他力本願かもしれないが、一人で完成されることにこだわらずまだ繋がりを持たない人を信じてみることで不可能なことに取り組む勇気になる気がする。まだ見ぬ同志と手を携える未来を思い描くのは楽しくもある。

 だからこそひとりでも可能な限り作り込まなくてはならないことは言うまでもない。

プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):30回
背筋運動:10回
腕立て伏せ
1回目:108回
2回目:110回

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