2018年10月22日月曜日

折角

 晴れ。撮影のため自転車を出して東へ走った。普段は北へ走ることが多いので久しぶりだ。時間にして往復1時間ほどで戻れる計算だ。もちろん撮影のため何度も停止するので計算通りにいくはずはない。


《はなつ》

 紅葉が始まった木々を見上げながら少し走ると稲刈りを終えた田んぼに出る。遠くに白く霞みがかった山々を眺めながら被写体を探す。新しく整備された広い道路を走ると工場らしき建設が始まっていた。また工業団地でも作るつもりだろうか。農業と観光で発展してきた地域を工業で発展させようとしているなら時代錯誤ではないだろうか。何より牧歌的な田園風景の景観が損なわれる。都会が嫌で田舎町へ移住したというのに都市化を進めたいというならまた居場所を探さなくてはならない。

 ススキやセイタカアワダチソウを眺めながら自転車を走らせているとまもなく目的のポイントだ。橋の上から川の撮影をして時間を考慮してUターン。思ったほどの撮影はできていない。撮影ポイントにもなっているアオサギの巣が多くある大きな樹はもぬけの殻。雛鳥も巣立って餌を求めて出かけたのだろう。

 人は時として好んで負荷を求めることがある。
「折角ここまで来たのだからもう少し足を伸ばそう」
 折角…で始まる言葉はそれまでの努力や経緯を元に新たな感動や満足を得ようとするのだろう。また改めて最初からやり直すことが困難な場合はなおのことかも知れない。自転車で出かけていてもそういう心理になることが珍しくない。そしてつい遠出してしまうのだ。

 漫画だってそうかも知れない。折角一年頑張ったのだからもう少し…とか、折角ここまで努力したのだからもう少し…といった具合に一歩ずつ前に進む。そして場合によってはもう戻れないくらい続けてしまうのだ。

 もしかすると無意識に望んでいた結末なのだろうか。あるいは本当にもう一歩で視界が開けるのだろうか。それすらも進んでみなければわからない。そして折角だからとさらなる負荷を求めている。


プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):60回
背筋運動:20回
腕立て伏せ
1回目:160回
2回目:160回

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