2017年3月31日金曜日

逡巡

 曇り。気温が上がらず肌寒い一日になった。
 春になって寒さが緩んだせいか気持ちも緩みがちだ。季節の変化への身体の反応と考えればあながち悪いことでもないかもしれない。布団から出たくない理由が「寒さ」ではなく「春だから」に置き換わっただけのことだ。

 今日もかれこれ一週間近く手こずっているカットに取り組む。脳内イメージが明確な場合は数分で描けそうな箇所に果てしなく時間がかかっている。どうしてこれほど手こずるのだろうと思い手描きしたものを下絵にしてみたらひどく歪んでいた。そのズレを修正するために四苦八苦していたわけだが、手描きの方が早いなら手法を再検討する必要がある。同じ絵を描くのでもデジタルとアナログではやはり感覚が違うのだ。


 実際のところアナログによる作画は工芸職人の匠の技を操るような魅力がある。デジタル作画はそれとまた違う感覚なのだ。職人が無駄を省いた技を磨くのに対してデジタルは電子的に…あるいはプログラム的に無駄を削ぐ。漫画家が紙面を擦って汚すことがないような工夫をするのに対してデジタルは紙面を擦って汚すことがないというのはその一例かもしれない。
 つまりはデジタル技術によってアナログ技術の足りないところをサポートしてもらっているとも言えるだろう。もしIT技術分野の発達によりユーザーの意図を読むようになったとしたら描くという技術なしでAIが絵を描画するかもしれない。作曲にしても作画にしても既にその片鱗が見え始めているのだ。

「好きだから描いている」

 その心情抜きにしてまうと描くことの意義も見失ってしまうのではないだろうか。少なくてもWeb上には様々な作品が公開されているわけだからAIが学ぶための材料は相当数あるのだ。

 アナログかデジタルか。その逡巡は、この時代、過渡期だからこその悩みなのかもしれないのだ。


プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):30回
背筋運動:10回
腕立て伏せ
1回目:103回
2回目:110回

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