2016年9月29日木曜日

曖昧

 雨模様。

 曖昧さとは正確さがあってこそ活きるものではないだろうかと考える。そして性格さは曖昧さがあってこそ活きる。

 例えば写真撮影の場合、ボケ味というものがとても重要だ。
 風景写真の場合は隅々までシャープにピントが合っていることが重要なことが多いが、人物撮影や接写など主題にピントを合わせ背景をボカしたたり時には手前にあるものをボカして意図を鮮明にすることを目的とする場合もある。

 写真ではボケ味を利用する際に被写界深度を利用する。
 被写界深度をどこまで取れ入れられるかはレンズの開放値と密接に関係しているのでレンズを選ぶ際には開放値(f値)が重要になる。f値は数値が小さい方が明るいレンズであるためズームレンズよりはレンズ構成が少ない単眼レンズの方が有利であるが、得てしてf値の小さい単眼レンズは高価であったりする。


撮影:2010/09/30

 作画におけるボケ味とはどんな場面が考えられるだろう。
 近年、スーパーリアリズムの表現を追求した作品を見かける機会が多くなった気がする。人物の顔や目のクローズアップなど克明に描写されている。他にも動物を描いた作品もあるだろうか。写真通りに模写しては描くことの意義が見出せなくなるだろう。主題をきっちり描き込んだら背景はざっくり描いたりぼんやりボカしたりすることで写真の被写界深度のボカし効果を取り入れることが可能だろう。もちろんこうでなくてはならないということではない。それは表現スタイルのひとつであり他の考え方もあるだろう。少なくてもモネの遠近表現には驚嘆した。作家それぞれが独自表現の中で模索すべきものなのだ。

 漫画ではデジタル表現の発展もあり克明な描写の背景を取り入れることが可能になった。場合によっては、背景を専門の外注先へ依頼する場合もあるようだ。それで物語のテーマが揺るがないのならそれも良いだろう。
 一方で背景がほとんど描いてない作品も見かける。要点のコマの背景をきっちり描き込めば、後は読者の想像力が世界観を補うことになる。これが意外と重要かもしれない。要点のコマにピントを合わせ他をボカすことで正確さと曖昧さが主題を引き立てるということだろう。
 ボカしとは少し意味が違うが、漫画ではブレによって動きを表現することがある。絵画においては動きをブレで表現している局面は少ないのではないだろうか。漫画は写真の表現を取り入れているのかもしれない。これもまた静止しているものと動いているものの正確さと曖昧さを表現しているのだ。

 漫画では流れの中で正確さと曖昧さを効果的に配置する必要があるということになる。ゆえに一枚のカットをパーフェクトに描き込むことより全体のバランスを見ながら完成させる必要があるということになるのかも知れない



プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):30回
背筋運動:10回
腕立て伏せ
1回目:105回
2回目:116回

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