2017年9月20日水曜日

奪回

 曇りのち雨。昔実家で飼っていた猫が怪我をして帰ってくる夢を見ていつもより早く目が覚めた。良い気持ちはしないので寝直したら珍しく雰囲気の良い職場で仕事にやりがいを感じる夢を見た。気持ちの変化を反映しているのだろうか。

撮影:2009/09/21
今日も所用のため自転車にて外出しようか迷いつつまずはラクガキに取り掛かる。

 長いブランクの間に失いかけていた感覚をようやく取り戻せそうな気がしている。曲がりなりにも精一杯描くようにはしていたもののラクガキがラクガキにならないもどかしさのようにものがつきまとっていた。
 ブランクとは言ってもこれまで漫画らしい漫画を描いたことはなかった。ただ漠然と「描くこと」を仕事にしたいと思い油彩の通信教育を受けたりデッサン教室や絵画教室に通ったりしていたのだ。やがて仕事が忙しくなったことを機に描くことができなくなっていった。生まれ故郷へ移住したのは既に17年前だ。もう描くことはないかもしれないと思い始めていた。帰郷はそれほど大きな夢の一つだったからその夢が叶ってしまえは他のことはもう実現しなくても良いとさえ思えたのだ。長い時間が恐ろしいほどの速度で流れ去った。生活のために勤務した職場に馴染めず転職を繰り返した挙句に世界的な不況。そして直接的ではないにしても東日本大震災後の混乱はあった気がする。

 漫画に取り組むようになったのは3年ほど前になる。他の手は打ち尽くして最後の手段のつもりだった。最終奥義は本来出番がない方が良いのだろう。しかも錆びた刀剣のように切れ味も良くない。未熟なままで実用に耐え得るるものではなかったかも知れない。何度も何度も描き直して時折まぐれのように描ける絵にしがみついてきたのだ。

 3年という歳月が流れ去った。やっと描くという感覚を取り戻しつつある。もし始める頃に3年以上かかるとわかっていたら果たして取り組んでいただろうか。すぐにでも力を発揮できるなどという幻想があればこそ夢中になれた気がする。
 ブランクとて無駄ではなかっただろう。漫画を描くための根拠としてあるいは社会勉強としても意味があるのではないかと思う。ただ、漫画を描く以上「描けること」は大前提ではないだろうか。たとえヘタでも描けなくては始まらないのだ。

 忘れかけ失いかけた感覚を奪回できるならやっと一歩が踏み出せるのかも知れない。


プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):60回
背筋運動:20回
腕立て伏せ
1回目:108回
2回目:120回

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