2016年3月1日火曜日

未知

 珍しく早めに目覚めると雪が降っていた。
 朝はそれほど寒いと感じなかったのだが、 しばらくするとヒシヒシと寒さが感じられるようになった。

 気温が下がると動きが鈍くなる昆虫の気持ちがわかる気がする。たまに早めに起きてしまうと日中は眠気が取れないパターンに陥るが今日もそうだった。
「調子は悪くない。調子は悪くない。」
 自分に言い聞かせるように過ごす。
 ここ数日のテーマであるマメな気持ちの切換を心がけ、デザイン、3Dソフト、鉛筆とペンによる作画を次々にスイッチして過ごすが、眠気は取れない。昨日少し歩いただけなのだが、疲れが残っているのだろうか。そういう意味では都会の人の方が健康的だろう。
 三寒四温は本来この時期に使用する言葉ではないと聞いたことがある。そもそも日本の言葉ではなく正月頃の小春日和のような陽気のことだったかと。しかし、日本では初春の時期がちょうどイメージにぴったりなのだろう。
 それにしてもホンの数日前に小春日和のような気候だったのに積もるほどの雪が降るとはやはり侮れない。
 もっとも過去の写真を見るとしっかり雪景色の年もあるから毎年こんな感じなのだろう。「例年になく」とか「異常気象」という言葉を使いたいだけではないかと思える節がある。

撮影:2012/03/01

「ダメだダメだ。今日はダメだ。」
 夕方になってもスキャニングできるものがないと思ったが、下絵のままスキャニングしていなかったカットなどを集めてみたら9枚ほどになった。記録の意味もあって全部スキャニングしておくことにした。
 何点かデジタル彩色してみるとそのまま使う方がいいような気がするものもある。

 夜になってまた3Dソフトをグリグリ。車がなかなか思うようなデザインにできない。
 いっそのことフリーなモデルを探した方が早いかもしれないが、それではやっぱり意味がないと思い直す。楽な道を行けば、楽であることに慣れてしまう。面倒でも大変でも自分で取り組むからこそ力になることがあるはずだ。

 そういえば…と風呂の準備をしながら思う。
 仕事が忙しくなって通っていた絵画教室に行けなくなったのは、もう20年も前だろうか。
 黙って休むのもどうかと思い前もって絵画教室の先生に申し出た。
 すると残念そうにかけてもらった先生の言葉が嬉しくもあり寂しくもあった。
「もう少しでいいとこ行けるからなんとか通えないかなぁ」
 当時は残業・徹夜・休日出勤が続いていた。肉体労働ではないからなんとかなると思っていたし、MacでのDTPの仕事は好きだった。疲れとか過労に対して無頓着だったかもしれない。そうこうするうちに体のあちこちが悲鳴を上げ始めた。
 会社が傾いていなければ、今頃どうなっていただろう。
 紆余曲折はあったが、結局あれきり絵画教室には通えなかった。

 未知の道。
 もう少しで行けたはずの「いいとこ」は、まだ先なのだろうか。



 腕立て伏せ:101回

0 件のコメント:

コメントを投稿

漂泊

 2021年は変化が大きく波に揉まれるような日々だった。2020年が予想外の幸運に恵まれていたのかもしれない。その波に乗れないまま呑まれてしまったようだ。良いこととそうでないことが同時進行し、気持ちの切り替えに苦慮した。元々器用な方ではないからこう言う時には複数の人格の必要性を感...