2016年3月28日月曜日

関所

 今朝も晴れていたようだ。気温が上がるという予想は軽く躱されたようでひんやり感が漂う。
 制作中の漫画の構成を見直しつつ知恵を絞る。

撮影:2012/03/29

 手描きカット、3Dカットを少しずつ描き続け、ジグソーパズルのように組み合わせつつさらに悩む。どうにもまとまりがなくバラバラな感じが否めない。青年のカットが多すぎる気がして何点か省略しようと試みるも失敗。彼女のカットの色彩が明るすぎる気がするのも気になっていた。大幅にカット数を減らすことを考えていたはずなのにあえなく挫折。セリフの配置や言い回しに調整を加えつつ、思い立って背景をダークグレーにしてみた。すると浮きまくっていたコマが落ち着いたようだ。おそらく濃度の高いコマが多いので白い背景とのコントラストが高かったのだろう。こうなると逆に明るいトーンのコマが目立ってしまうのだが、アクセントとか視線誘導を考えれば、上手く利用するのが賢いのだろう。もっとも今は手探り状態だから結果論にすぎない。結局、せっかく取り組んでいた彼女の部屋の3Dカットは使える状態まで至っていないし、構成上ごちゃごちゃしてしまいそうなので背景はシンプルにした。車内のカットも制作したシートのヘッドレストはほとんどシルエット程度にしか見えていない。そういう使い方をする予定だったし背景が目立ってはいけないのだと思う。

 あれこれ試しているうちにもうこれ以上は無理という感覚になってきた。大幅にレイアウト変更するとかカットを描き直すとかすれば別の角度から見られるようになるかもしれない。それは新たに制作をやり直すことを意味する。だからと言って今より良くなるとも思えない。



 完成点というものをどう見極めるのかというのもポイントだ。締め切りがあるのなら悔いが残っていようとも他に試したいことがあろうとも締め切りが完成点となる。しかし、現在は与えられた締め切りというものがあるわけではないから、納得いかないという理由でいつまでも制作し続けることも可能である。それではキリがない。締め切り以外の完成点が必要なのだ。納得とか満足は永遠に辿り着けないからこそ制作出来るのだからそれともまた違うのかもしれない。
 ここのところの完成点は行き止まり感という感じだ。悩んで悩んでもうこれ以上打つ手がないところ。将棋で言う「詰み」の状態だ。一滴ずつの知恵を絞って器がいっぱいになって溢れ出すところ。その一点のために小さな積み重ねを続けるのだ。

 完成点を見出したところで公開決定。難所をひとつ抜けた心持ちだ。
 明日からまた次の関所を目指してまた一歩ずつ歩き出すことになる。


 腕立て伏せ:103回

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