2016年3月3日木曜日

形状


撮影:2006/03/05

 今日は結果的に3Dソフトに集中することになった。
 普段気に留めていないが、身の回りに溢れるモノにはデザインがある。美的であれ機能的であれデザインなしでは成立しないと言っても過言ではないだろう。デザインとは設計という意味合いもある。それは人工的なものには限らないだろう。自然のものであってもその存在が持つ長い歴史の中で淘汰され、研ぎ澄まされてきたものだという。そもそも分子構造や原子構造にも規則があるわけだというから物理法則の中でデザインと無縁のものはないと言えるかもしれない。

 これまでに何台かの車に乗る機会があった。
 最初は仕事で乗った深い緑色のワンボックス。700ccの空冷エンジンで運転席のフロアは錆びて穴が空いていた。初めて乗った日にはギアのチェンジレバー壊れて交差点で止まってしまうというハプニングにも見舞われた。骨董品レベルという古さが逆に看板になるという判断もあったのだろう。ボクは免許取り立てだったので練習するにもいいだろうということのようだった。
 次に乗ったのは中古の赤い乗用車。これまた仕事に必要だからという建前があったが、友人は既に自分の車を持っていて出かける度に乗せてもらうのが心苦しくもあった。そしてその次も中古の赤い車。キビキビ走って狭い所での転回も楽だった。
 しばらく車に乗らずスクーターにしていた時期を挟んで次の車は深い緑のワンボックス。唯一の新車購入だった。一番初めに乗った車がモノを運ぶのにとても便利だったので引越しなどでも使えると思ったからだ。実際、何回かの引越しでは大活躍をしてくれたし、かなり長い間乗っていた。その後、自転車だけの時期があったが、通勤の必要があって2年間だけシルバーのワンボックスに乗った。初めての4WDだったが、いろいろと不具合があってたった2年間なのに後半は乗るのが辛い時期もあった。
  それからまた自転車暮らしをしているが、車は本当に出費が多いということを改めて思う。自転車でもブレーキやタイヤなどの消耗品に費用はかかる。しかし、外出の度に燃料の心配をする必要もなければ、車検のような定期的な高額出費もない。おまけに健康にも良いとなれば、どうしても必要なのでなければ、車はなくたっていいと思うこともある。

 ボクは車が必要になれば乗るという立場を取ってきたので機能優先で選んできたような気がする。いずれ排気量を基準にすることもなくなるかもしれないが、軽自動車だって目的地に辿り着ければいいし、必要なだけの荷物が載せられて小回りが利けば言うことない。
 何しろ好きだと思うデザインの車は滅多に出会わないのだ。
 昔はスーパーカーブームなんて言う時代があってカウンタックやフェラーリのような鋭利なデザインをかっこいいと思うこともあったが、ポルシェやロータスヨーロッパのような曲線を効かせたデザインが好きだったり、むしろ3輪車のような丸っこいデザインも好きだった。
 しかし…現代の車のデザインにはあまり心が動かない。だから「車は走れて荷物が運べたらいいや」ということになる。
 では、自分でデザインするとしたらどうなんだろう。歴代の様々な車のデザインの中から好きなラインを抽出し脳内で再構成して3Dソフトで作画していく。3Dソフトも独学なので使い方を覚えながらの制作になる。最初は直線を中心に構成していたが、使い方を習得して行く過程で曲線と曲面が多用できるようになってきた。



 今回は、勝手がわからないこともあり手探りでの制作になっている。漫画の作品内での使用が目的なのであまり個性的ではなくさりげないデザインにしたいのに無駄にこだわってしまっている可能性もある。シンプルであることは簡単なことという意味ではない。意外と難しいことなのだ。漫画で使用する車一台くらいだったら2時間程度で制作できるのが理想的な気がする。慣れた人はもっと早いのだろうか。

 そういえば、昨夜は3名ほどの女性スタッフがボクのラクガキを立派な作品に仕上げてくれる夢を見た。理想的な職場環境だったが、現実にはひとりで全部こなさなくてはならない。作品のイメージの全体をデザインすることができる反面、意外性や拡張性に欠けるし何より効率が良くない。
 車のデザインはメカニカルデザインでもあるので ボクのような一人で作画する者にとっては使いようによって強力なアシスタントになり得ると思っている。これからの作品にはメカっぽいモノや建築物の必要の生じる可能性が大いにあるだろう。
 3Dソフトでは、いずれ人体モデルの制作もしたいと考えているので曲線や曲面の習得は必須なのである。



 腕立て伏せ:105回

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