2016年6月10日金曜日

中間

 晴れ。昨日より少しは湿度が下がっているようだ。快適。 

撮影:2014/06/11

 数日前から描いていた背景カットの制作を続行。
 ポイントは波の向こうに光が透けているところ。多くの画家や写真家が魅力を感じているのではないだろうか。描けば描くほど深みが出てきて面白い。欲を言えば、エッジを竹串で描くのではなく色鉛筆で表現したいところ。それには少し画材としての力が足りない気がする。漫画の背景としての用途だから今回は明確な表現のほうがいいだろう。
 色鉛筆を使いながら中間色の使い方について少し考えた。作画の際に黒や灰色などの無彩色を使用すると色が濁ってしまう印象があって、それが苦手意識にもつながっていたため砂浜を描こうとして迷いが生まれた。
「…砂の色って何色で描けばいいんだろう。」
 真っ先にイメージしたのは濃い灰色だった。砂の色=灰色という固有色としての認識だ。しかし固有色として認識される色も環境光によって左右される。周囲が青なのでそのまま灰色で描けば補色のオレンジ色系で感知されるだろう。全くのオレンジ色というほどではないとしてもそのままでは浮いてしまうことも考えられる。そこで周囲同様の青を重ねてみる。この青は暮れてゆく空の色を反映している。青+灰色なので彩度が抑えた濃い青ということになる。相対的に茶系の印象になった。悪くないようなので波打ち際の砂が流れる様子を描いてみる。最初は手探りだがこれも悪くないようだ。グレーの中間色を抜くことで水の流れを表現できることもわかった。脳内のイメージをスケッチしている感覚だ。
 不思議なのは何故わかるのかがわからない。
 何度か波頭の絵を描く試みをしたことはある。波打ち際を描いたことがあっただろうか。
 これまでは色の扱い方は無彩色を極力避けて彩度を下げない手法で描いていた。適宜彩度を下げることで扱える色の数が増えたことになる。
 グレーを使って描きながら思う。短絡的かもしれないが、近景に中間トーンを使用し明度を下げ彩度を上げ、遠景には中間トーンを抜いて明度上げ彩度を下げれば色による遠近の表現が可能になるだろうか。夕景などの光の表現の際には遠景の彩度も維持する必要があるだろうか。



 目で見ることではなくイメージを見ること。
 心に思い描いたものを辿ること。
 それが絵になる。
 忘れていた不思議な感覚だ。

…もう少し空にもこだわって良かったかも知れない。


腕立て伏せ
1回目:101回
2回目:110回
腹筋運動(Vシット):25回
背筋運動:10回

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