2016年6月18日土曜日

涙色

 人生に出会いと別れはつきもの。それでも普段は意識することがあまりない。大切な人の存在が当たり前になり感謝すら忘れていることもある。

 時に特別な存在になっていることに改めて気づいてしまうことがあるらしい。

 晴れて爽やかな日だというのに朝から泣いていた。どうして泣いているのかわからなくなるほど後から後からとめどなく涙が溢れてくる。

 単純に哀しいわけでも寂しいわけでもない。
 もしかするとこれほど大きな思いやりとかいたわりとか優しさの詰まった贈り物を受け取ったのは生涯で初めてかもしれないとさえ思う。ボク自身の不甲斐なさ、やるせなさ…人生には、頑張ってもどうにもならないこともある。それでも人は生きなくてはならない。そんな想いが交錯する。きっと全て包み込むような大きさを感じて涙が止まらないのだ。

撮影:2009/06/19

 なんとか机に向かって作画に取り組んでみると鉛筆は走っても動揺が抑えられずペン入れが安定しない。そのうち何を描いているのかわけがわからなくなった。

 夕方近くなって少し落ち着いたので買い物ついでに外出。ずっと涙が止まらなかったので目が真っ赤に充血していたが、サングラスをしているから大丈夫だろう。

 ひどく優しい気持ちになっていた。

 いつもの麦畑を通りかかると麦秋を迎える麦の穂が風に揺れていた。ふと気配を感じて視線を向けるとキジがいた。野生動物と関わる時は気持ちが解放されている方がいいと思うことがある。ちょうど最近野生生物との向き合い方を考えていたところだった。心を落ち着けて風に同化するような気持ちを心がけてみる。するとキジは何かを探しているようでありながらこちらには気づかない様子。
 偶然でも必然でも普段撮れないキジの様子を撮影できたのだから細かいことは気にしなくていいだろう。



 漫画はきっと自分のために描くのだろう。
 それでも誰かの想いまでも描くことができればと思ってしまうのは贅沢だろうか。
 誰かのために描けるならそれはボクにとっても意味があることなのではないかと深く強く感じた日だった。



腕立て伏せ
1回目:100回
2回目:103回
腹筋運動(Vシット):25回
背筋運動:10回

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