2016年6月17日金曜日

非力

 晴れ時々曇り。早めに床に就くと案の定寝入りには苦労した。そして妖怪退治とか持ち物の盗難とかおかしな夢を長々と見た。大挙して押し寄せるゾンビのような妖怪たちに必殺技も効かずスルーされ、無くなったと思った荷物は見知らぬカバンに入れて自分で背負っていた。夢のテーマは「非力」ではないだろうか。フクロウやミサゴのような小型の猛禽類を飼っていてすっかり慣れていたというのは悪くない。


撮影:2011/06/18

 ヘンテコな夢を見たせいか今日は幾らか調子が戻る気がしたのだが、机に向かって間もなくして作画のバランスが取れなくなり始めまたも不調の底へ沈み込んだ。
 以前に描いた下絵を修正しようとするとバランスを崩してさらに悪くしてしまう。ここの所、自分の中のもう一人の存在との対話によっての作画を心がけるようにしている。もう一人の存在は目覚めたばかりのせいか油断するとまた眠りに落ちてしまう。しばらく続けたが集中力が続かない。今になって気がついたが、集中してはいけないことを忘れていた。
 取り敢えず、身体を動かしてみようと思い自転車を出すことにした。
 進路を西に取ろうと思ったのに西風が吹いていて自転車で走るには苦労しそうな予感。まずは所用を済ませようと近所を回る。精神状態が不安定な時は何をしても芳しくないものだとわかっていても立ち止まることも不安だったりする。ペダルを踏みながら帰宅するか迷っていた。すでに西へ走る気持ちは失せていた。
 そのままなんとなく北へ向かう。そしてしばらく行っていなかった書店に入る。最近はパッケージされて中を見ることが出来なくなっている漫画の単行本の棚の間を歩いてみた。以前だったら立ち読みする人たちが並んでいた棚の間はただ整然と買い手を待っている。その状態では、やはりネットの方が便利だと思うこともあるだろう。
 書店を出てまた少し北へ走る。
 線路を渡ると果樹園が広がっている。サクランボシーズンとあってたわわに実った樹もあれば、すでに収穫の済んだ樹もある。そしてまさに収穫中の農家の方の姿もあった。

 風の中をかいくぐるように自転車を走らせる。
 こんな季節をもう16回経験しているはずだ。そのうち2回はサクランボ収穫のアルバイトもした。ここで暮らすことを望んで選んできたけれど、予想外のこともあったし予定外のことばかりがあった。
 夏は動。冬を静。それをうまく回転させることをできれば…と考えていた。うまく回転したか?残念ながらYESとは言えない。むしろ春と秋こそが動であり夏と冬は静だろう。そして静の時間は何もかも動かせなくなる。静の時間を制作に当てようと考えていたが実際はそれも容易なことではなかったのだ。
 ボクのことだから都会に暮らせば何かと動けたかもしれない。それは制作に集中できないことでもあると考えていた。

 失敗も挫折も望んだこと。それでも諦めたり投げ出したくなることも何度かあった。それでも何とか生かされて生きている。まだ出来ることがあるのだろうか。



腕立て伏せ
1回目:100回(ギリギリ!)
2回目:90回
腹筋運動(Vシット):25回
背筋運動:10回

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