2016年6月9日木曜日

無風

 向かい風でどれだけもがいても前に進めないばかりか逆に押し戻される日もあれば、ごく稀にではあってもすこぶるコンディションの良い日もある。そして何日かに一度こんな風に凪いでしまう日がある。

 たとえば「生きていてよかった。」とか「生まれてきて良かった」心から思えるほどの努力をボクはしているだろうか。
 大抵のことは情熱だけでは達成できない諸々の事情がある。時には事務的に、時には渋々取り組まなくてはならないこともある。その繰り返しが長く続くと目的や方向性を見失ってしまう。最初は大胆に情熱に任せて始めたことであってもおそらく目的に近いほど微調整しながら慎重に進めることが必要になるのだろう。
 スイッチを入れたり切ったり方向性を修正しつつ歩みを進めるしかない。

 今日もイラレのネームとにらめっこ。
 ストーリーの矛盾に気づいてしまった…というより、気づいたのに忘れていたのだ。しばらく悩んだ後、作画の方にスイッチ。調子が悪いわけではないと思うが、キャラクターの形が取れない。
 子供の頃は「漫画や絵なんか歳を取ってからでも描ける」なんて説き伏せられて渋々勉強に取り組んでいた。
「あれは嘘だな」と実感として思う。
 視力や桁外れの集中力は若い頃ならではのものだ。少なくても目をつぶってでも描けるくらいに描いておかないと歳を重ねてから容易に描けるようになるものではない。始めることに遅すぎることはないとしても早いからと言って問題になるだろうか。
「鉄は早いうちに打て」という。
 熱く柔らかいうちに形を整えた方が良いのは漫画や絵だって同じだろう。

撮影:2010/06/09

 夕方になって自転車を出すとパラパラ雨が舞っていた。
 麦畑の様子を見てから田んぼ沿いに自転車を走らせていると一羽のカモが何やらつぶやきながら歩いている。自転車を停めると少し立ち止まってこちらの様子を伺っていた。危険がないと判断したようで、また何やらつぶやきながらヨチヨチと歩いている。カモの足元は田んぼの水を含んだぬかるみだ。体重が重ければたちまち沈んでしまうだろう。水かきのついた足で踏みしめる土の感触はどんなだろう。一瞬そんなことを考えた。
 スーパーでは、だし用の昆布とかつお節などを購入。以前はちゃんと出汁をとるようにしていたが、最近は麺汁の出汁をとる時くらいだろうか。夕飯にベーコンが欲しいと思っていたのでチェックすると2軒目での安いベーコンが1パックだけ残っていた。
 天候は不安定な様子でスーパーを2軒回って帰宅すると雨は大降りになり、雷鳴まで聞こえ始めた。

 ボクが立ち止まっていても季節は動いていく。


腕立て伏せ
1回目:102回
2回目:107回

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