2016年10月16日日曜日

朧気

 晴れ。出かけたい気分を抑えていたもののすぐに机に向かうことができずダラダラしていた。

 重い腰を上げて机に向かう。いやいややっているわけではないはずなのに毎日の繰り返しのためか正直なところ億劫になることもしばしばなのだ。
 ここ数日の掴みかけた感覚を確実なものにしたいと思いつつ鉛筆とペンを握る。闇霜に足掻いていた時期と少し違うのは、自分がどんな絵を描くだろうと少し楽しみにしている自分がいるということだ。傍観とは少し違うかもしれない。客観でもない。寄り添うように伴走しているような視点である。
 繰り返し描くことでイメージが累積され描く前に浮かぶようになるはず。今はまだ捉えきれていない朧気なイメージを形にしなくてはならない。


撮影:2009/10/17


 大きくて重い扉の前に立ち尽くしているような心境。
 それでもここまでやって来た。
 この扉を開いたところでこれまでと同じように細く頼りない道が延々と続いているだけかもしれない。それでも進むためにはこの扉を開かなくてはならないのだ。

 あまり考えずに鉛筆を走らせているとどこか懐かしい感覚を思い出せる気がした。それはもう随分前に忘れてしまったような気がしていた感覚。無心で鉛筆を走らせる感覚だ。その感覚が思いがけない線と絵につながる。その結果に小さな自己満足。それから感覚を維持したまま描いている作品のキャラクターを描こうとすると途端にイメージが霧散する。目指す感覚と定型になっているキャラクターにズレがあって整合性が取れていないのだ。

 これはもしかするとキャラに魂を吹き込む大切な作業かもしれない。

 理想とするイメージには表情や存在感や雰囲気といった繊細で曖昧な要素が含まれているためだ。キャラクターとイメージをオーバーラップさせる。偶然上手く行ったような気のすることもあるが、まだまだ扉をノックしている程度ではないだろうか。

 夕方になって買い物に出た。日没が早いので一日が終わるのが早い気がする。辺りはすっかり夕闇に包まれようとしている。公園の樹々の紅葉が進んでいるようだ。

 なんだかんだで今日もやっぱり机に向かってしまった。明日もまた扉を開くために机に向かうことになるだろう。



プランク:60カウント
腹筋運動(Vシット):30回
背筋運動:10回
腕立て伏せ
1回目:105回
2回目:115回

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